挙式は海外

ちゃっかり次女の海外挙式 お姑さん攻略法

「これまで育ててくれた親たちのために……」と、なるべくオーソドックスで、なるべくあたりさわりのない
結婚式と披露宴をおこなった私たち夫婦。

 

そんな姉を見ていたからでしょうか。
私より三年遅れで結婚が決まった妹はなんと、「海外挙式がしたい」と言い出しました。

 

「か、かいがいきょしき?」
妹から話を聞いた両親は口をあんぐり、目が点に。
それもそうです。妹の婚約者のお母さん、つまり、妹の姑になる人は昔ながらのしきたりや風習を大切にする、
とーっても古風な人だったからです。
「うちはかまわないけど、海外挙式なんて向こうの親御さんは大丈夫なのかい?」
母も私と同じことを考えていたようです。あの行儀だの作法だのに厳しそうなお姑さんが果たして、
海外のチャペルでの挙式なんてOKするでしょうか?

 

ところが……。
「あのお姑さんだからこそ、海外挙式の方がいいんじゃない」
当の妹は平気な顔。
「日本で普通に式を挙げたら大変なことになるよ。親戚はみんな留袖着てこいとか、
振袖持ってる友達を呼べとか。もしかしたら、新婦の実家で餅まきしろ、なんて言い出すかも知れないし。
引き出物も、ほとんど嫌がらせみたいに重くてかさばる物がいいんだろうなぁ。
私、食紅でまっかっかになった鯛の落雁なんて絶対イヤだからねっ」
……なるほど。妹の言っていることにも一理あります。披露宴の打ち合わせの途中で、
当人たちだけではなく、両家がもめることもしばしばあるからです。

 

何でも、お姑さんは海外旅行に行ったことがないらしく、婚約者に事前に打診してもらったところ、
「あら、海外?いいんじゃない?どこでするの?」
あっけないほどすんなりと、そしてうきうきと、OKしてくれたそうです。
もともと彼の実家は親戚が少なく、親類縁者をかき集めても我が家の半分くらいの数にしかならないだろう
と言われていたので、本当の意味での「身内だけ」が参列できる式というのは、向こうにとっても非常にありがたいことだったのです。

 

かくして妹夫婦は、パリの教会で式を挙げました。
キリスト教徒でもないくせに……と式のあいだじゅう、私は笑いをかみ殺していましたが、
厳しい方だと聞いていた妹のお姑さんは、
「まあ〜、なんて素敵なステンドグラス!」
などと、こちらもびっくりするほどのはじけっぷり。
挙式と海外旅行をいっぺんに、という妹の見解は正しかった……というわけです。

 

唯一、私の父だけが、
「そんな高いヒール履かれたら、ワシの方が背が低い……」
妹と腕を組んでバージンロードを歩くことを本気で嫌がっていましたけど。

 

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